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【交通安全ニュース解説コラム】第44回 高速道路上での停車

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
今年に入り、故障などで停止した車両に追突する事故のニュースが後を絶ちません。
その多くは高速道路上で起こっています。
1月4日、兵庫県加古川バイパスにて事故で停車中の軽自動車にトラックが追突して、1歳の子が亡くなりました。
1月17日には、名神高速道路で事故を起こした乗用車にトラックが追突し、110番通報中だった乗用車の運転者が死亡しています。
3月28日には、新東名高速道路で、サービスエリアから合流する加速車線に止まっていたとみられる大型トラックに、トラックが追突して2人が死亡しました。
そして5月16日、東北道下り線で、路肩付近に止まっていた大型バスに大型トラックが追突し、3人が死亡、追突した大型トラックの運転者も重傷を負いました。
停車していた大型バスは、走行中から煙が出ていたらしく、オーバーヒートして路肩に停車した後、大型トラックに追突されたようです。
事故で亡くなった3人は、バスの運転者と乗客の2人で、バスの後ろにあるエンジンを確認している時に事故に巻き込まれたということです。

事故後の対応で被害を最小限に

事故や故障で停車せざるを得ない場合には、後続車からの追突を避けるためにも、停止中であると伝えることが大切です。
ハザードランプを点灯し、発炎筒を設置、そして停止表示器材(三角表示板または停止表示灯)を設置してください。
高速道路および自動車専用道路においては、停止表示器材の設置は義務化されています。
発炎筒や停止表示器材は車両から50m以上後方に設置する必要があります。
また、事故に巻き込まれないためには乗員の避難も非常に重要です。
車両を停止させたら、全員がすみやかに車両から降り、安全な場所へ避難してください。
前述のバス事故のように、乗客がいる場合は運転者や添乗員が責任を持って避難させてください。
多くの事故で、車両の中や付近、つまり道路上に留まっていたために追突に巻き込まれ亡くなっています。
停止車両が追突された時に巻き添えにならないよう、車両より後方のガードレールの外側に避難してください。
できれば、車両を停止させる際にハンドルを左に切っておくこともお勧めします。
ハンドルをまっすぐにしたままですと、追突された衝撃で車両がまっすぐに進み、さらに他の車両にぶつかるという多重追突事故につながる危険性があるからです。
ハンドルを左に切っておけば、万が一追突されたとしても、車両がガードレールにぶつかって止まるため、被害を最小限にできるのです。

高速道路でも停止車両がいる前提で

高速道路を走行する際、止まっている車両がいる前提で運転をする方はほとんどいないのではないかと思います。
そのため、前方に停止車両がいても走っているものと思い込んで追突してしまったり、人が路上にいると思っていないために気がつくのに遅れてしまったりするのです。
しかし、上記で取り上げた数々の事故のように、停止している故障車や事故車に遭遇することは、いつでも起こり得ることなのです。
交通事故においては、「これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫」とは言い切れません。
今後は高速道路上でも停止車両がいるかもしれないという前提で運転をし、少しでも違和感を抱いたらブレーキを踏むようにしてください。
高速道路の道路情報板にも故障車ありなどの情報が出るので、確認するようにしてください。
また、減速路面表示のある場所では事故のリスクが高まります。
事故のリスクが高いということは、事故車などが停止している可能性も高いということです。
しっかりと速度を落として走行してください。
故障やパンクをした場合でも、自分でなんとかしようとは思わず、まずは、命を守るための行動を取ってください。
想定を増やし、対処法を知ることが、事故防止に繋がるのです。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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