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【交通安全ニュース解説コラム】第30回 横断中の歩行者と車両事故について

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
先日、一世を風靡した「ザ・ドリフターズ」の仲本工事さんが、交通事故による急性硬膜下血腫でお亡くなりになりました。みなさんもニュースでご覧になったかと思います。
事故は、横断禁止場所で起こりました。ワゴン車との接触だったそうです。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
今回はこの事故を受けて、1件でも事故を減らすために、横断中の歩行者と車両事故についてお話ししておきたいと思います。

歩行者死亡事故のほとんどは横断歩道以外で発生

横断歩道以外の場所を横断中に歩行者がひかれて亡くなる事故は、後を絶ちません。
警察庁の発表によると、平成29年から令和3年までの5年間で、歩行者が横断中に起きた交通死亡事故は3,588件発生しており、約7割の2,406件が横断歩道以外の場所を横断している時の事故でした。
しかも、そのうちの約7割は、走行中の車両の直前直後を横断したりするなどの法令違反があったそうです。
特に高齢者の場合、目先のリスクに注意が行き過ぎて、車列の間を抜けた後のリスクに対して危険感受性が下がり、被害に遭うことが多いです。
横断歩道のない場所を渡る高齢者が多いのは、身体能力の衰えから、目的地まで最短距離となるコースを歩くためとも言われています。また、自身の身体能力の衰えと自己認知が一致していない、つまり自分の歩行スピードが思っているよりも遅いのにそれが理解できていないために、車が近づいているという危険な状況でありながら渡ってしまうとも言われています。
過去には、歩行者の横断歩道外横断によって起こったバイクとの接触事故で、バイクの運転者が自動車運転処罰法違反で書類送検されただけでなく、歩行者にも重大な過失があるとして、歩行者が重過失傷害容疑で書類送検されたことがありました。

車の形状で事故も変わる

ワゴン車やバス、トラックなどのボンネットがない形状の車両は、接触した時に歩行者を押し出してしまい、歩行者は路面などで頭や身体を強打しやすくなります。大型トラックなどの事故になると、押し出されるだけでなく車両の下に巻き込まれてしまうケースもあります。
つまりボンネットのある車両との事故と比較して、死亡事故になりやすいのです。
しかし、どのような車を運転していても車列の側方を通過する時は、歩行者がいるかもしれないという想定をしつつ走行してください。
制限速度は守ってください。
時速が10km/h速くなるごとに死亡率は3倍になります。
状況によってはアクセルから足を離し、構えブレーキにしておくことも重要です。
仮に、右折の矢印信号などで早く交差点に進入したいという気持ちがあっても、アクセルを強く踏み込まないでください。
アクセルを踏み込んで走行してしまうと、歩行者に対応できません。
これからの季節では、薄暮の時間に歩行者との事故が増加します。
季節的に洋服の色もダーク系が増え、よりいっそう認知しにくくなってきます。
運転者は横断歩道外であっても人がいるかもしれないという想定をしつつ、制限速度を守って走行するようにしてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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