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【交通安全ニュース解説コラム】第46回 車線変更の危険

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。先日、愛知県で原付バイクと中型トラックが衝突し、原付バイクに乗っていた高校生が亡くなりました。警察の発表によると、右側の車線から原付バイクが急な車線変更をしたことが原因とみられているそうです。バイクや自転車などと車両の事故で、もっとも死亡率が高いと言われているのが、この事故のような急な車線変更による接触事故です。たとえ車両側が法定速度を遵守していたとしても、急な車線変更では動きが予測できないため、ブレーキを踏むのが間に合わず、車両の速度が出ている状態で接触をしてしまい、死亡事故となってしまうのです。

みだりにしてはならない車線変更

そもそも車線変更とは非常に危険な行為です。なぜなら、動きながら前方と後方の確認をしなければならないからです。道路交通法26条には、「みだりにその進路を変更してはならない」と定められています。また、「進路を変更した場合にその変更した後の同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない」とも書かれています。進路変更をする時は、必ず後方確認をして、後方から来る車両がブレーキを踏んだり避けるために方向を変えたりすることのないよう、余裕を持ってしなければなりません。しかし、ドライブレコーダーの映像を見ていると、後方確認をしないまま進路変更をしている場面をよく目にします。特に自転車の運転者に、そのような運転をする傾向が多く見られます。また、初心者マークや県外ナンバー、レンタカー車両にも注意が必要です。運転者が運転に慣れていない可能性や、道を知らない可能性があり、進路を間違えていることに気がついた時に、焦って急に車線変更をしてしまうのです。こういった車両は急な進路変更だけでなく、急停車をする場合もあり、後方車両はその動きに対応できずに接触事故を起こしてしまいます。自転車やバイク、初心者マークや県外ナンバー、レンタカー車両などを見かけたら、普段以上に車間距離を確保してください。通常の車間距離では、想定外の動きをされた場合にブレーキを踏むのが間に合わず、衝突してしまいます。

事故防止のため、一旦は間違ったまま進む

私のYouTube番組でも度々配信していますが、一般道だけでなく、高速道路においても同じような事故が起こっています。
一般道では、直進時の車線変更だけでなく、右折や左折レーンから急きょ直進方向へと進路変更する車や、安全確認をしないままUターンをする車、高速道路では降り口を間違えたと思われる車が高速道路上で急停車するなど、実に様々なケースで事故やヒヤリハットの状況が起こっています。
いずれのケースでも、急な車線変更や急停車の原因は「道を間違えた」ということが最も多い理由だと思います。
万が一道を間違えてしまっても、急な進路変更で対応するのではなく、その場は事故を起こさないためにも間違えたまま進行して、次のタイミングで進路を変更してください。
間違えて右左折をしてしまったら、別の道から正しいルートへと戻ってください。
高速道路の降り口を間違えたのであれば、一度降りてしまってから、改めて高速道路に乗るなどの対応を取ってください。
人は焦ってしまうと確認動作をする前に、ハンドルを切るといった運転動作をしてしまいがちです。
運転をする際には、事前に道を確認しておくことはもちろんですが、たとえ間違えてしまってもその場で対応しようとするのではなく、落ち着いたタイミングで道を修正するという意識を持つようにしてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディ・クリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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