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【交通安全ニュース解説コラム】第42回 高齢者による道路横断の特徴

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
4月19日、福岡県で「交通死亡事故警戒宣言」が発令されました。
22年ぶりの発令だそうです。
福岡県内では、今年の1月から4月17日までの間に交通事故で34人が死亡しています。
前年同時期比でプラス16人と大幅に増加しており、また、4月8日から17日までのわずか10日の間に7人が亡くなるという深刻な状況であることを受けて、19日に発令されました。
34人中、高齢者が24人と最も多く、事故のほとんどが夜の時間帯に、幹線道路沿いで発生しています。
死亡事故だけでなく、交通事故そのものも増加しており、3月末時点での福岡県内の交通事故件数は5042件で、前年比でプラス464件となっています。

高齢者の横断の特徴

死亡事故の特徴として、歩行中の事故、18時から22時までの夜間の事故、そして65歳以上の高齢者の事故が激増していると、福岡県警察が発表しています。
1月から4月はまだ日没時間が早く、高齢者の方は黒や茶色などの暗い色の服を着ている方が多いため、薄暮の時間帯以降は非常に認識しにくくなります。
早めのライト点灯が必須であり、基本的にはハイビーム走行をしてください。
高齢になると、目先の危険に対しては意識が働きますが、次の危険には意識が働きにくいという傾向が見られるようになります。
道路を横断しようとする際に、目先の危険である、歩行者にとって右から走行して来る車には十分気をつけて横断を始めるのですが、次の危険である、左から走行してくる車に対しては注意が払えないのです。
そのため高齢者の事故では、歩行者から見て左から来る車、つまり車から見た時に右側から歩いて来た人をひいてしまうケースが非常に多いのです。
加えて、高齢者は横断歩道以外の場所で横断する傾向もあります。
これは、目的地までの最短距離を進もうとするためです。
体力の衰えなどから最短距離を選択するのだと思われますが、歩行速度が自分が思っているよりも遅く、車が来る前に道路を渡り切れないというのも、事故の要因の一つになっています。
車を運転する際には、横断歩道以外でも人が道路を渡って来ることがあることを念頭におき、過去に高齢者の事故があった場所などは特に気をつけて、速度を落とすなどの対応をしてください。
薄暮の時間になったらハイビームにして、必ず法定速度を守って走行してください。

制限速度を守ることが、死亡事故を防ぐ

当然のことですが、衝突時の速度が速いほど、歩行者の死亡率は上がります。
時速30kmでは致死率は約10%ですが、時速50kmだと致死率は80%以上になります。
時速50kmというのは、運転者からしてみればそんなに速いとは感じない速度かもしれません。
しかしそれでも、事故を起こせば相手の歩行者は亡くなってしまう可能性が高いのです。
幹線道路などでは、速度超過で走っている車を多く見かけます。
死亡事故を起こさないためにも、制限速度を守ってください。
感染症対策による行動制限も緩和され、生活も以前のように戻りつつあります。
外出する人が増えることで、事故のリスクも高まります。
加害者にも被害者にもならないように、安全運転行動を心がけてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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