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【交通安全ニュース解説コラム】第24回 不測の事態で車両が停止した際にとるべき行動

みなさんこんにちは、ディ・クリエイトの上西です。
先月中旬の深夜に、福岡県の九州自動車道古賀インターチェンジ付近で中型トラックに大型トラックが追突する事故がありました。
追突された中型トラックは横転してしまい、乗っていた男性2人は病院に搬送されましたが、残念ながらその後死亡が確認されました。
事故の前に、中型トラックの乗務員は勤務先に「故障して動けない」という連絡を入れていたそうです。

路肩にとどまる危険性

故障などで動けなくなった車両に追突してしまうという事故が、高速道路では度々起こっており、スピードも出ていることから死亡事故になりやすい傾向にあります。
私がYouTubeで配信した映像の中にも、高速道路の路肩に停止している車両のそばに人がかがんでいるものがあります。何をしているのか詳細までは見て取れませんが、恐らく、バーストしたタイヤの交換を路肩でしているのではないかと思われる映像でした。これは本当に危険な行為です。このような対処をしていては、いつか事故に遭って亡くなってしまいます。絶対にやめてください。

高速道路では基本的に駐停車禁止です。

過去には、停止した車両の運転者が追突されて亡くなった後に、「整備不良で運転し続けた疑い」ということで書類送検されたケースもあります。
長期間、運転も整備もしていなかった車を久々に運転し、なおかつ高速道路を利用して遠方に出かけると、走行中にバーストを起こしたり故障して動かなくなってしまったりすることがあります。
久しぶりに運転する場合や、遠方へ出かける場合は、必ず出発前に車両点検をしましょう。
特にタイヤの状態は必ずチェックしてください。

不測の事態にすべき5つの行動

しっかりと点検をしていても不測の事態は起こります。
緊急事態で停止する場合は、5つの点に注意して対処しましょう。

1つめはハザードランプの点灯です。ハザードランプをすぐに点灯させて、後続車に知らせてください。特に高速道路では、前を走っている車が停まるという概念がありません。ハザードランプを点滅させて異常事態を周知してください。停まってからも点滅させ続けてください。

2つめは、停止したらハンドルを左に切っておくことです。日本の道路は左側通行なので、左に寄せて車を停めます。ハンドルを左に切って停止しておけば、万が一後ろから追突された場合に車両が本線側に押し出されるのを防げます。

3つめは、三角停止表示板の設置です。高速道路では、事故の際の三角停止表示板設置が義務化されています。最近は新車販売時の価格を下げる目的で、三角停止表示板が車両に付属していない場合があります。高速道路を利用する前に、自分の車に三角停止表示板が積んであるか確認してください。

4つめは、発炎筒の設置です。発炎筒に関しては2つの注意点があります。つけ方と使い方を知っているかです。発炎筒はマッチのように擦って点火します。キャップでこすってつけるタイプもあります。過去に研修をした時、水をかけてつけると勘違いしている方もいました。必ずつけ方を確認しておいてください。また、つけた後に発炎筒を持って走らなければならないと思い込んでいる人もいます。走る必要はありません。車から離れた後方に置くようにしてください。

5つめは、車内に残らないということです。路肩に車を停め、同乗者がいる場合は先に避難させてください。ガードレールがあればガードレールの外側に出てから緊急電話をします。車内に残ったり、車のそばで作業をしたり電話をしたりするのは命の危険を伴います。停止したらすぐに車外に出て、追突の際に巻き込まれないよう車の後方に避難してください。

最後にもう一つ、遠出をする際の注意点をお伝えします。

少しでも眠気を感じたら、最寄りのサービスエリアまたはパーキングエリアで車を停めて休憩してください。眠気とは戦っても無駄です。ガムを噛んだり体をつねったりという刺激を与えても、一時的に覚醒するだけで、眠気は解消されません。必ず停まって、できれば15分ほど仮眠を取りましょう。

せっかくの遠出を楽しいものにするためにも、事故を防ぐ準備と行動を取るようにしてください。

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執筆:上西 一美
株式会社ディクリエイト代表
一般社団法人日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長
Yahooニュース公式コメンテーター

1969年生まれ。関西学院大学法学部卒業。大手企業を経て神戸のタクシー会社に25歳で入社。27歳からその子会社の社長に就任。その経験を元に、2004年ディ・クリエイトを設立し、交通事故防止コンサルティングを開始。ドライブレコーダーの映像を使った事故防止メソッドを日本で初めて確立し、現在、年間400回以上のセミナー活動をこなす。2万件以上の交通事故映像を駆使し、その独特の防止策で、依頼企業の交通事故削減を実現している。2019年よりYouTube番組『上西一美のドラレコ交通事故防止』を毎日更新中。

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