Case Study

導入事例

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Nauto Safety Stories – 伸和ピアノ株式会社 ナウト導入でドライバーの意識を改革。人事考査や評価の指標としても活用

  • 伸和ピアノ株式会社
  • 代表取締役社長
  • 谷治 勇 氏

伸和ピアノ株式会社
代表取締役社長
谷治 勇 氏

細心の注意を払うピアノ運搬
安全への高い意識が常に必要

− 御社の事業内容を教えてください。

谷治氏)昭和45年創業、ピアノと管楽器の買取・修理再生・販売を専門としている会社です。買い取りから、自社工房での修理再生、国内外への販売・搬送までを社内一貫体制で行っています。売上全体の9割ほどはピアノの販売事業で、年間で約2万台を輸出。さらに2年ほど前からは新事業として管楽器の買い取りを行っており、それに伴う修繕・整備工房も新設しました。今後は弦楽器や打楽器などの取り扱いも拡大していく予定です。

− 運搬に関して、ピアノという大型貨物を安全に運ぶために、どんな注意が必要なのでしょうか?

谷治氏)まず、弊社で所有している運搬用車両はカーゴ(積載型)クレーン車13台、クレーン専用車1台、クレーンなし車両4台。これらの車両にはすべてナウトを導入しています。ピアノ・楽器を扱う際、従業員には常に安心・安全に配慮するよう厳しく指導しています。ピアノ本体はもちろん、階段、エレベーター、壁、床など、作業に伴うキズや破損を防ぎながらの運び出しには細心の注意が必要です。そして、車両に載せて運搬する際も安全への高い意識が求められます。特にクレーン車を運転するドライバーには、道交法を遵守することに加え、クレーンという特殊車両を運転しているという意識を常に持ち、より安全運転への気持ちを強く持ってほしいと考えています。

一歩間違えれば大事故に
危険運転防止にナウトを導入

− 昨今では、ながら運転やあおり運転が厳罰化され、社会の目はより厳しくなっています。御社のこれまでの安全に関する取り組み内容や、課題と感じていた点について教えてください。

谷治氏)事故を引き起こす要因を少しでも減らすよう、ルールの整備と周知徹底を繰り返してきました。弊社では、ドライバーが運転中に携帯電話を使用することがないよう、就業時間中は個人の携帯電話を社内の所定場所に保管するよう義務付けています。

これは携帯電話の“ながら運転”が社会問題になる以前、1990年代後半ごろからの取り組みです。また、2007年ごろからは、ドライバーからの連絡・報告をそれまでの電話ではなく無線で行うように変更しています。車内のコミュニケーションが増えることにより、居眠り運転を防ぐ効果があると考えたからです。実際に、日本各地で仕事をしている他の仲間から発信される情報が耳に入ることで、自然に車内の会話が増加。居眠り運転の防止に役立っていると実感できたため、現在も継続しています。しかしながら、2021年9月、ドライバーが運行中に居眠り運転をしていた可能性のある事案が発生しました。

− そのことをきっかけに、ナウトの導入をご検討いただいたとうかがっています。どのような事案だったのでしょうか。

谷治氏)「走行中に路肩縁石に接触して、タイヤのホイールを傷つけてしまった」という報告をドライバーから受けました。早速、当時採用していたドライブレコーダーの映像をもとに検証したところ、当該道路は緩やかに右カーブをしているだけで、接触につながるような特殊な要因が全くない道。そのため、ドライバーが居眠り運転をしていた可能性が浮上しました。このときは軽度な接触で済みましたが、ちょっとした気の緩みが原因で、今後重大過失事故を引き起こしてしまうかもしれない。ニュースでも取り上げられ、会社の存続危機を招いてしまう可能性も否定できません。こうした事故を防ぐためには、従来のような「安全運転に対する意識改革」といった精神的・抽象的な対策ではなく、より物理的・具体的な対策が必要だと考えました。そこで思い至ったのが、AI搭載型ドライブレコーダーの導入です。ドライバーの挙動や目の動きなどを検知し、問題行動に対して警告を出すことで事故を未然に防ぐということを知り、AIドラレコの導入に踏み切りました。

− 他社の製品もご検討されたかと思いますが、ナウトを選んでいただいた決め手は何でしたか?

谷治氏)WEBサイトで紹介されている導入事例などをもとに、興味を持ったメーカーや販売店に問い合わせ、それぞれの担当者の方々から説明を受けて比較検討しました。そのうえで、やはり現在普及しているAIドラレコの中でも、ナウトの製品は優れている点が非常に多いと感じました。まず、最先端の危険認知能力と警告発信機能を搭載しており、さらに最新の機能が自動的に更新されるので、都度機器を交換する必要がない点。また、AIがドライバーを自動的に顔認証するので、運転開始時に毎回ドライバーが操作をする必要がないというのも画期的。担当ドライバーが運転者の変更記録を忘れる心配がなくなりました。そして、1か月分という大量のデータをクラウドに保管できるのは、長期宿泊を伴う出張が多い弊社にとっては大変便利な機能。SDカードなどの記録媒体の容量を気にする必要もありませんし、出張先から記録媒体を郵送する手間や本社に届くまでにかかる時間も削減できる。これは従来の運用から良い方向へ大きく変わると確信しました。

ベラスコアの数値を社内共有
競争意識でより安全な運転を

− ナウトの導入を開始してから、どのような効果が得られましたか?

谷治氏)ドライバー自身が、AIによる客観的な評価を確認でき、イベントごとに記録された鮮明な映像を見ることができるので、安全への意識がより高まったと感じています。また、各課長が所属する課員の運転状況を確認し、実際の映像を用いた具体的な指導・コミュニケーションがとれるようになったことで、各課の連帯感が増しました。さらには、各ドライバーのベラスコア(ナウト独自の採点)を共有することで、良い意味でドライバー同士の競争意識を高め、「もっと安全運転を心がけよう」という意識醸成に役立てられていると感じています。2022年1月の導入から2カ月経過した時点で、ドライバー全体のベラスコアが向上、月間通してナウト全体の平均値を下回ることがなくなり、着実に効果が出ています。

− ありがとうございます。今後はベラスコアが御社の人事考査にも関わってくるのでしょうか?

谷治氏)ナウトを導入して以降、人事考査の時期を未だ迎えていませんが、毎年実施している給与査定の際に、各種ミスや事故の件数と併せてベラスコアを採用する予定です。ベラスコアの評価が高い社員に関しては、昇給の評価対象とすることを検討しています。それとは逆に、事故リスクの高い社員、重要なミスを起こした社員に関しては面談を行い、その結果によっては一定期間の運転を禁止、および減給することも検討しています。これも安全運転を徹底させるためには必要な処置であると考えています。

− ナウトの導入に際し、ドライバーの方々とはとどのようなコミュニケーションを取られましたか?

谷治氏)「会社から監視されていると感じる」といったマイナス意見が出てくると考えましたので、あくまで「ドライバーの過失による事故を未然に防ぐことが目的だ」ということを強調しました。自身の過失により、不幸な被害者を出す可能性を減らすことができ、結果的にはドライバー自身とそのご家族が不幸になる芽を摘むことができる。そのためにナウトの導入が必要であると丁寧に説明したことで、社員の理解は得られたと考えています。また、全体に告知する前にドライバーに個別で説明をすると、過敏に反応する社員の間で余計な情報が飛び交う可能性を考え、対象部署の部長以外には事前に伝えずに、ドライバー全員が参加している社内勉強会の場で一斉に告知をしました。同じタイミングで情報共有できたことで、導入への理解もスムーズに進んだと考えています。今後新しく雇用するドライバーにも、その都度担当部署よりきちんと説明して理解を得られるよう指導していきたいと思います。

最先端技術が更新され続ける
今後のナウトにも期待したい

− 最後に、現在AIドラレコの導入を検討されている企業様に向けて、ナウトを薦めたい点や、安全運転への思いをお聞かせください。

谷治氏)繰り返しになりますが、ナウトはドライバーの目線や細かい動作を感知する最先端の技術を持ち、さらに随時更新されていくそれらの技術を、端末を設置し直すことなくアップデートできる。これは数あるAIドラレコの中でも、大変優れた点だと感じています。今後もさらなる機能の追加・更新を予定されているとうかがっていますので、より使いやすく、事故防止への効果を発揮してくれることを期待しています。弊社では関西支社や札幌営業所とも連携しており、本社で一括して運行記録の確認・指導を行えるので、複数の拠点を持つ企業の方々も管理が容易になるのではないでしょうか。今後世界中の車両にナウトのドライブレコーダーが導入されれば、世の中から重大事故が劇的に減っていくはず。大げさに聞こえるかもしれませんが、それほどナウトには期待を寄せていますし、少なくとも多くのドライバーの意識が変わるきっかけにはなると思っています。

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