Case Study

導入事例

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Nauto Safety Stories: 株式会社クラシアン ー AIを駆使してアクティブに危険を検知。求めていた機能がナウトにあった

  • 株式会社クラシアン
  • 総務本部 総務部 部長 | 本社管理部門 総務本部 本部長 | 総務本部 総務部 総務課 主任
  • 榎本 修 氏 | 高橋 良平 氏 | 大垣 誠 氏

現場へ迅速に向かうため、車両の安全管理は重要な業務

- 御社の事業内容を教えてください。

榎本氏)「トイレが詰まった」「蛇口の水が止まらない」といった水回りのトラブルがあった際にお電話をいただき、スタッフを手配して修理に伺う、というのが主な事業。他にもガス給湯器の交換や、一部PB商品などの販売も行っていまして、今年で創業から30周年を迎えます。全国に支社があり、現在現場で動いているスタッフは全国で約850名。全員が車両を使って移動しており、広いエリアを1名のスタッフで担当している場合もあります。私たち総務部の仕事も、車両の手配や新車のリストアップ、レンタカーの手配など、車両にまつわる業務が多いです。

- テレビCMが流れているのもよく拝見するので、サービスの知名度は全国区だと思います。御社の場合、「トラブルがあったらすぐに駆けつける」という点もサービスのポイントなので、車の手配や安全管理というのは重要度の高い業務ではないかと思います。これまで、社内では安全に関してどのような取り組みをされてきたのでしょうか?

榎本氏)私が総務部に配属されたのが2019年の4月で、それ以前は別の者が担当していました。その頃は、ドライブレコーダーに記録されたさまざまなヒヤリハットの瞬間をまとめて編集した映像を作成し、各支社の支社長が集まる全社会議でその動画を流していたそうです。当時使用していたドラレコはデータがクラウドに保存されるタイプのもので、そのデータを担当者が1件1件ダウンロードし、自分の目ですべて確認して、ヒヤリハットの映像を選んで編集する、というもので、非常に時間と労力がかかったと聞いています。

- 安全への取り組みとはいえ、前任の方はかなり負担の大きい業務をされていたのですね。

榎本氏)はい。それとは別に、特に事故の多い人、大きめの事故を起こした人は個別で集めて、安全運転講習を行っていました。2019年4月から、安全運転だけでなく従業員の品質向上を目指し、総務部と品質管理室(当時は品質管理部)の二つの部署に分かれました。大きく分けて、総務部の方では車両など物の手配や、事故が発生した際の受付。品質管理室では、従業員への指導や、事故当時の資料などを取りまとめ、再発防止に向けた発信などを行っています。部署が分かれてからも連携する部分は大きいです。

煩雑な運転記録データの管理
ナウトへの切り替えで解消

- 総務部と品質管理室が分かれ、榎本さんが総務部長に就かれたのちに、ナウトを導入していただいたかと思います。導入までのプロセスや、他に検討した機器やサービスがあれば教えていただけますか?

榎本氏)もともと使っていた他メーカーのドライブレコーダーは、急ブレーキや急ハンドル、衝突などのイベントがあったときのみ録画するタイプのものでした。SDカードにデータを自動保存していくのですが、上書きではなく蓄積されていくタイプなので、定期的にデータの破棄や入れ替えを行う必要がありました。そのため、導入当初は各支社にSDカードを送り、データを保存したら送り返してもらい、それを初期化してまた送り返して… と、かなり手間がかかる作業を一人や二人で行っていました。日本全国の支社、北から南まで何百車両分も。あまりにも手間がかかりますし、また当時は社内での交通事故件数が多く頭を抱えていた時期だったので、新しいドライブレコーダーに替えようと、機器の検討を始めました。

- 新しいドラレコを検討する際、どんな機能を重視して選んでいましたか?

榎本氏)最低限必要としていたのは常時録画であることと、メンテナンスフリーであること。また、ドライブレコーダーは何かトラブルがあったときのみデータを確認するイメージがあり、それでは事故の抑止につながらないので、できるだけドライバーに直接危険挙動を知らせてくれるものがいいと考えていました。いろいろな営業の方からさまざまな機器をご提案いただいて、その中にあったのがナウト。常時録画でメンテナンスフリーという機器は他にもありましたが、当時他にはなかったAI導入機器で、わき見運転などの危険挙動があったときにドライバーに教えてくれる。まさに求めている機能そのものだったので、ほぼ即決したことを覚えています。

わき見や喫煙を細かく検知
安全運転で事故削減を目指す

- 数あるドライブレコーダーの中から、ナウトを選んでいただきありがとうございます。ナウトを導入するにあたって、社内への提案や従業員の皆さんへのコミュニケーションはどのように行っていったのでしょうか?

榎本氏)ナウトの販促資料を参考に、当時の社内での事故発生件数と照らし合わせ、ナウトの導入によってどれくらい事故が減らせるか試算して、幹部に提案しました。従業員に対しては、「交通事故を起こして良いことは何もない、事故を減らすためにナウトを導入する」と伝え、各エリアの事業本部長や支社長には、所属するスタッフへの指導をお願いしました。

- 現在、御社で所有する車両のドライブレコーダーを徐々にナウトに切り替えていただいている段階で、すでに200台前後の導入が完了したとうかがっています。導入を始めて目に見えて変化があったことや、実際に効果を感じていることはありますか?

榎本氏)まだ正確なデータを集計していないので具体的にはお伝えできませんが、ナウトを導入した車両の事故は減っていると感じています。しかし、正直なことを申しますと、すでに導入している従業員からはネガティブな反応があるのも事実です。それは、運転手がわき見として認識していない少し視線をずらした場面や、わずかな動作に対してもナウトが「危険挙動」と検知してアラートが鳴ってしまうため、煩わしいといったものです。しかし、交通事故は往々にしてちょっとした油断や気の緩みから起こるもの。運転手にしてみれば少々煩わしいと感じられるかもしれませんが、アラートが鳴ることで注意を喚起し、安全運転への意識を持たせることが、事故防止につながる第一歩。長い目で見れば、会社にとっても従業員にとってもプラスに作用すると考えています。

- おっしゃる通り、細かい挙動も敏感に検知するため気になってしまうこともあるかもしれませんが、安全のためと思って、ドライバーの皆さんにはご理解いただければと思います。ナウトで得られたデータを、安全運転指導などに活用されることもあるのでしょうか?

榎本氏)事故につながりそうな危険な運転をしていると判断した場合は、品質管理室の方から各支社の責任者へ個別に連絡をし、指導を行っています。また、弊社では社用車に乗っている際の喫煙を禁止していまして、喫煙や携帯電話の操作などを検知した場合は、週に1回ほどのペースで品質管理室から全社宛てに通達。録画された動画を含めて情報を共有するようにしています。

- 実際にナウトをご利用いただく中で、改善してほしい点や追加機能のご要望などがあれば、今後の参考にお聞かせください。

榎本氏)現在は喫煙やシートベルト未着用などの通知があった場合に手作業で日時やドライバーなどの情報を入力しているのですが、今後は件数だけではなく、CSVなどで発生日時や車両ナンバーなどの詳細なデータを抜き出して、集計できるようになるといいですね。危険挙動の動画を社内で共有すると、上の者から「これはいつ起こったことなのか?」と聞かれることがあるので、その際にスムーズに答えられるようにしたいです。今後導入台数が増えていくと、今までのように手入力するのは難しくなってくると思うので、データの抽出ができれば運用が楽になると思います。

- 普段ナウトを積極的に活用いただいているからこそのご意見だと思います。早々に開発チームにフィードバックし、より使いやすいようアップデートしていきたいと思います。

「安全運転も仕事である」という意識を常に持ってほしい

- 御社で過去に起こった事例として、依頼のあったお客様のもとに向かっている途中で事故が起こってしまうことが多いとうかがっています。もしそのような事態が起こった場合、御社ではどのような対応を取られているのでしょうか?

榎本氏)事故の処理はきちんと対応しつつ、ご依頼いただいたお客様にご迷惑をおかけしないよう、他のスタッフを代わりに向かわせます。配車担当のスタッフがいますので、近くにいてすぐに向かえるスタッフを手配するのですが、人員が空いていなかったり、状況によってはすぐに向かわせるのが難しい場合があります。たとえば、首都圏なら同一エリア内にスタッフが複数いることも多いのですぐに手配できますが、地方ともなると移動だけで2、3時間かかるような場所からご依頼があることも珍しくありません。事故が起こって遅れが出ると、さらに長時間お客様を待たせることになってしまうので、そういう意味でも事故は極力なくしていきたいですね。

- 車を運転している以上、従業員の皆さんにはどれだけ急いでいても安全への意識を常に持ってもらうことが大切ですね。

榎本氏)はい。従業員には、「お客様のところに行って修理をすることだけが仕事ではなくて、車を安全に運転することも仕事である」という意識を持ってほしいと思っています。彼らの乗る車にはクラシアンの社名が入っていて、もし事故を起こしているところを撮影されてSNSにでもアップされたら、会社の大きなイメージダウンにもつながりかねません。車を運転することの責任感を常に強く持ってもらいたいと思います。

- 最後に、車両を扱う業種の皆さんへのメッセージや、今後の御社の安全管理に関する目標を教えてください。

榎本氏)ナウトを導入して、以前よりも運転手が運転そのものに集中するようになったと感じています。車両を扱う他業種の皆様にも活用していただいて、弊社だけでなくみんなで協力しながら、日本全体の事故を減らしていけたらと思います。私たちは「くらしに安心を提供する」というスローガンを掲げていて、そんな企業が事故を起こして世間の皆様に不安を与えるようなことがあってはなりません。社名に恥じないよう、これからも従業員一丸となって安全運転に取り組んでいきたいと思います。

 

取材協力: 株式会社クラシアン (https://www.qracian.co.jp/)

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