Case Study

導入事例

12

Nauto Safety Stories: 株式会社泉平 ー ナウト導入で大きな事故が半減。費用対効果の高さを実感

  • 株式会社泉平
  • 物流部 配送事業部 事業部長 統括運行管理者
  • 萩原 由典 氏

SDカード管理に限界を感じ
通信型ドラレコを検討していた

― 御社の事業内容を教えてください。

食品卸売業として、メーカー様と顧客の皆様との間をつなぐような仕事になります。学校給食、老人ホームなどのメディカル給食、社員食堂などの産業給食などの納品を行うのがメインです。4年ほど前からは、一部の車両で一般貨物事業も開始しました。兵庫県姫路市の本社をはじめ、神戸、大阪、岡山、福岡などに営業所を置いています。車両は全部で119台あり、現在はおよそ半数にナウトを導入。来年度も導入車両を増やしていき、最終的には全車両への導入を予定しています。

- 御社では2020年2月から徐々に導入を増やしていただいていますが、そのタイミングでナウトの導入を始めたのはなぜでしょうか?

それが、とても良いタイミングでナウトに出会えたと思っています。弊社は、近畿DCでは運行管理者が常時社内にいるような体制を取れていますが、他の拠点は運転手をしながら管理もしているような状況です。当時はSDカードに記録するタイプのドライブレコーダーを導入していましたが、SDカードを毎日抜いて映像を確認して……というやり方は、管理側の負荷が非常に大きいということを感じました。また、事故発生時にSDカードに残っている映像を観てみようと思ったら、機械が壊れて映像が観られなかった、ということが相次ぎ、通信型のドライブレコーダーで良いものはないかと展示会に出かけた際に、ナウトをご紹介いただくことになりました。

事故処理にコストをかけるより、
コストをかけて事故防止を

- そんなきっかけがあったんですね。ナウトを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

他にもAI搭載で後から事故の分析等に役立てられるような機器はありましたが、わき見運転や急ブレーキなど、必要な部分だけに絞って映像が観られるというのが魅力でした。

- ありがとうございます。導入する際、なにかハードルになるようなことはありましたか?

ランニングコスト(通信料)がかかる点が懸念材料ではありましたが、「事故が起こってからその対応に費用をかけるのであれば、事前に費用をかけて事故を防いだ方がいい」と社内を説得しました。それにより反対意見は出ませんでしたが、上からは「結果を残しなさい」と。実際、ナウトを導入する前は事故が多く、保険料が上がるタイミングでもあったので、そこは強調されましたね。

- 実際にナウトを導入いただいて、費用対効果はどのように感じていらっしゃいますか?

ナウトを導入したこの2年ほどで、会社全体の保険料が年間200万円ほど下がりました。かなり効果が出ていますね。もともと大きな事故の発生件数は少なかったのですが、わき見運転をしていて電柱に追突するような事故が年間で4、5件は発生していました。それも、ナウト導入後は半数ほどまで減っています。バック中の事故など、小さな事故はまだ続いていますが、事故を起こしてしまった際も車内の映像を見て分析できるので、再発防止に向けて活用できると感じていますね。導入前と比べると、全社の事故件数は7割ほどにまで落ち着いています。

実際に起こった事故映像が
効果的な教育資料に

- 具体的に、ナウトをどのように活用していただいているのでしょうか?

アラートが鳴って抜粋されたわき見運転、運転手の悪い特性などに関する映像を資料として、月に1回各拠点で指導するように伝えています。今までであれば、わざわざドライブレコーダーのSDカードを抜いてきて、どこが悪いのかと映像を観ながらチェックするようなことはできませんでした。この変化は大きいですね。

- 運転指導をどのように実施されているか教えてください。

今までの運転指導は、一方的に管理者側が問題点を指摘するようなやり方でしたが、今はドライブレコーダーの映像を活用しながら、全員で意見を出すやり方に変えました。始めた頃はなかなか意見が出ませんでしたが、毎月のように続けていくと、自然と意見が出るようになりましたね。本当は事故を起こさないことが一番ですが、実際に社内のドライバーが起こした事故映像というのは、教育資料として非常に効果があります。例えばYouTubeなどに上がっているようなヒヤリハットの映像を見ても、あまり身近に感じられず、そこまで真剣に捉えられていませんでした。ナウトの映像は非常に身近なところで起こっていることなので、やはり自分ごととして捉えやすい。身近な映像だけに、社員からも意見が出しやすいのかなと思います。

- ナウトを入れていただく際、ドライバーさんが抵抗するようなことはありましたか?

トラックはほぼ全車両にデジタコがついているので、危険運転行動にアラートが鳴ること自体は特に問題なかったようです。ただ、やはり引っかかるのがインカメラ。初めは「撮られている」という感覚を強く感じたようです。「常時見ているわけではないし、何かあったときに自分たちを守る手段だ」ということを説明して、おおむね納得してもらっています。一部には、サンバイザーでインカメラを隠してしまう社員もいます。そこは見つけ次第指摘していますが、課題として感じていることではありますね。

- 各拠点で、ナウトの使い方の違いや傾向はあるのでしょうか?

きちんと管理者がチェックして、指導までできているかという違いはありますね。未だに私のいる近畿DC以外は、運転しながら管理するというスタイルなので、なかなか手が回っていない。そういうところは私の方で月次レポートを見て、連絡を入れるようにしています。先月分を集計して「そちらの拠点ではこういう運転傾向があるので気をつけて」といったことですね。問題点だけではなく、良い点があればそこをきちんと評価することもできます。ナウトの導入事例のなかでも、そういった企業さんがありましたよね。

- そうですね、実際に評価の基準にナウトのスコアを活用して、営業成績含め優秀な社員を表彰するという企業様もあるとうかがっています。

そういう活動も良いですよね。運転スコアを評価制度に取り入れるということをやれば、ドライバーの意識もさらに高くなると思います。

「導入しなければ良かった」と
思うことはひとつもない

- 他の運送会社様に向けて、ナウトを薦めたい点がありましたらぜひ教えてください。

実は、私から何社かに導入を薦めたことがあります。ただ、やはり皆さんランニングコストがネックだと言われるんですよね。そこは先ほども申し上げたように、後々の事故処理の費用を考えれば決して高いものではないと思っています。保険料以外にも、車両の修繕費だってトラック1台壊してしまえば400~500万円はかかってしまう。それを考えれば、導入に費用をかけるだけの価値はあるのではないでしょうか。そして何より、管理者の業務の手間を削減できるのが大きいですね。弊社も以前はSDカードに記録する機器を使っていましたが、気になる部分だけピックアップして観てみようと思っても、なかなかねらいどおりにはできませんでした。自動的にアップされた映像や集計されたデータを見る方がよほど効率的ですし、管理画面も使いやすいと管理者からの評判も良いです。

- ありがとうございます、導入のメリットを強く感じていただけているということですね。

実際にナウトを導入して、「導入しなければ良かった」と思うことはひとつもありません。今後も全車両に設置するまでは増やし続けたいですし、その中で「こういう使い方をするともっと良いのでは」というところを見つけられるのではないかと思っています。まだまだ管理者側が使いこなせてないという状況なので、まずはこの2年以内に全車両への導入を完了したいと思っています。そのために来年から計画しているのは、配送チームの全拠点へ横断的に私が関わるようにして、管理者とも話し合い、運転手兼管理者ではなく管理者を常駐させる体制に整えていきたいと考えています。

- 一気通貫して、各拠点を見る管理者を置くということですね。

はい、今でも安全運転に対する取り組みは、各拠点に対して毎月横断的に行っていますが、拠点の運営にまでは指摘していませんでした。そこも踏まえて、来年には整備を完了させたいと思っています。全車両への導入が完了した後は、ナウトの使いこなせてない機能も活用しながら、事故をいかに減らすかというところに取り組みたいですね。

- ありがとうございます。導入されてからどんなふうに変化していったか、グラフでわかりやすく表したり、傾向に合わせた安全運転指導をアドバイスさせていただくサービスもありますので、ぜひご活用いただければと思います。本日はありがとうございました。

 

取材協力: 株式会社泉平 (https://www.izuhei.co.jp/)

記事一覧へ